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後鼻漏・上咽頭炎の漢方薬|体質と習慣を整えることで改善へ

後鼻漏・上咽頭炎の漢方薬|体質と習慣を整えることで改善へ

後鼻漏や上咽頭炎のご相談が
ここ数年とても増えています。

「鼻水が喉に流れてくる」
「のどの奥が腫れているようで、違和感がある」

こうした症状が何ヶ月も続くことで
生活や睡眠にまで影響している方も多く、
耳鼻科で「異常なし」と言われた後に、
漢方相談に来られるケースがよくあります。

後鼻漏といっても原因はひとつではありません。

副鼻腔炎がある方
慢性上咽頭炎のような粘膜の炎症がある方
アレルギー体質が背景にある方
無呼吸やいびきの影響がある方もいらっしゃいます。

中には鼻の中は乾燥気味でも、
のどに張りつくような不快感が続いている方もおられます。

ざっくり分けると
① 鼻水の量が多いタイプ
② のどの粘膜が過敏なタイプ
③ 両方重なっているタイプ
といった分類になります。

訴える症状としても、
・のどのイガイガ
・咳が長引いている
・えへん虫のような感じ
・痰が出そうで出ない
・鼻詰まりがある
・粘っこい違和感がある
など、人によって違いがあります。

そこで漢方では、症状だけではなく
その方の「体全体のバランス」を見ていきます。

五臓でいえば、肺・脾・腎を主に考えます。

◎肺は呼吸と粘膜の乾燥
◎脾は水分代謝と痰の生成
◎腎は冷えや再発のしやすさ
こうした要素が関係してきます。


和ひのき薬局で使う漢方薬の一部をご紹介します。
(※あくまでも個別対応でご提案しています)

後鼻漏や上咽頭炎でご相談のあった方に、
実際に使用してきた処方です。

· 辛夷清肺湯(副鼻腔の炎症・鼻づまりが強い場合)
· 荊芥連翹湯(慢性炎症や膿が絡むタイプ)
· 半夏厚朴湯(のどの違和感やストレス性)
· 小青龍湯(アレルギー体質、水分が多い体質)
· 温胆湯、二陳湯(痰が多く出るタイプ)
· 麦門冬湯(のどや鼻の乾燥がつらい方)
· 生脈散、玉屏風散(風邪をひきやすく、体が弱い方)など

これらは単独で使うこともありますが
2〜3種類を併用する場合も多くあります。

また、血流の悪さや冷えが強い方には
それに合う処方も加えて調整します。

西洋医学では鼻やのどを細かく診ていきますが、
漢方では「どうして後鼻漏を感じやすくなっているのか?」
という全体の背景を診て整えていきます。

そしてもうひとつ大切なのが
日々の習慣です。

たとえば「水分の摂り方」。

ついゴクゴクと飲みがちですが、
その飲み方が痰の原因になっている方も
少なくありません。

和ひのき薬局では、
水の飲み方、食事のクセ、排便・睡眠など、
日常の中にある悪化の種
一緒に見つけていきます。


実際、食事の指導が体質の改善につながり
線毛の動きが良くなったり
粘膜の状態が落ち着いてくる方も多いです。

食養生こそ
漢方薬と同じくらい大切と考えています。

本来、後鼻漏は誰にでもある生理的な反応です。

でも、それが「不快に感じるほど」続いているなら、
そこには生活や体調の中に見直すポイントがある
ということです。

無意識のうちにしている習慣が、
症状を長引かせていたり、
内臓の負担になっている場合は意外と多いものです。

「治す」というより「整える」。

そういう気持ちで体と向き合っていくことで、
後鼻漏も自然と変わっていくはずです。

長引く後鼻漏でお悩みの方は、
経験のある専門家にしっかりとお話を聞いてもらい、
ご自身に合った漢方薬と生活の整え方を
探ってみてください。