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・Bスポット療法(上咽頭炎)でも後鼻漏が治らない?→粘膜と体質を見直す漢方の視点
【はじめに】
後鼻漏に悩む方の中には、すでに「Bスポット療法」を
受けられている方も多くいらっしゃいます。
「上咽頭炎が原因かも」と耳鼻科で言われて、何度も通院した。
それなのに、喉に流れてくる痰のような違和感が一向に消えない──
そんなご相談が、当薬局にも増えています。
【上咽頭炎とBスポット療法】
近年、「上咽頭炎」という言葉が少しずつ知られるようになり、
その治療法として「Bスポット療法」を受ける方も増えてきました。
確かに、慢性的な炎症を起こしやすい上咽頭に直接アプローチする方法として、
Bスポット療法は大きな役割を果たしています。
しかし実際には──
「治療後、粘膜の状態は良くなったと言われたのに後鼻漏は変わらない」
というお悩みを抱えて、当薬局に相談に来られる方も多いです。
【後鼻漏は粘膜の問題だけではない】
後鼻漏は、確かに上咽頭や副鼻腔、鼻腔など
「粘膜の炎症」が原因となっているケースが多いです。
ですが、それだけではないのがややこしいところです。
・粘膜がなぜ炎症しやすくなっているのか?
・なぜ潤いが足りなくなるのか?
・なぜ痰のような粘液が過剰に出続けるのか?
そこには、体の内側にある原因が隠れている場合が少なくありません。
【漢方相談で最初に聞くこと】
当薬局では、まず西洋医学的な診断・治療歴をうかがいます。
・Bスポット療法はどれくらい受けたか
・他に副鼻腔炎やアレルギーの既往はあるか
・現在の症状の詳細(粘液の色・量・粘り気)
・咳やのどの痛み、違和感などの有無
その上で、和ひのき薬局の相談では
以下のような点を大切に聞き取りします:
・便通や尿の状態
・食事の時間・内容・量
・間食や1日で摂取する水分量
・胃腸の働き(空腹感・消化力)
・睡眠の質、頭痛・めまい・肩のコリ
・血流測定から血流判断、舌診による判定
これらを総合的に見ながら、
「粘膜に影響を与えている体質のバランスの乱れ」を探ります。
【粘膜と水の関係】
漢方では、体の中の「水の流れ」が滞ることで、
余分な水分(=痰湿)がたまり、
粘膜の不調につながると考えます。
たとえば…
・潤い不足で粘膜が乾き、違和感が出ているタイプ
・水分代謝の低下(痰湿)で鼻や喉に粘液が溜まってしまうタイプ
・ストレスや冷えで血流が悪くなり、粘膜の修復が追いつかないタイプ
後鼻漏の原因はひとつではなく、
こうした複合的な体内のアンバランスが
背景にあることがとても多いと感じています。
【実際のご相談から】
◎ 50代女性
上咽頭炎の診断を受けてBスポット療法を8回受けたが、後鼻漏は変わらず。
→ 漢方的には痰湿+脾虚+気滞。粘膜がむくみやすく、胃腸機能が低下していた。
→ 体質に合わせた漢方薬と、朝食内容の見直しで2か月後に改善の兆し。
◎40代男性
副鼻腔炎・Bスポット療法歴あり。喉の奥に痰が落ちてきて話しづらい。
→ 診断上は異常なしだが、津液不足+瘀血タイプで粘膜が乾き、回復しづらい状態。
→ 粘膜の潤いを補い、血流を良くする漢方で3か月で症状が安定。
【十人十色の後鼻漏】
西洋医学では「この症状にはこの薬」となりますが、
漢方では「同じ症状でも人によって原因が違う」と考えます。
西洋医学は十人一色であり
漢方はまさに『十人十色』と言えます。
上咽頭炎や副鼻腔炎といった診断があっても、
それを引き起こしている背景は食習慣・体質・ストレス・冷えなど
人によってさまざまなのです。
だからこそ、その方の状態を丁寧に観察していくことが、
改善の近道です。
【最後に】
Bスポット療法は素晴らしい治療法ですが、
それでも後鼻漏が治らない方は、「粘膜の修復力・回復力」が
追いついていないのかもしれません。
粘膜は、体の中で最も環境の影響を受けやすい場所の1つです。
だからこそ繰り返している場合には
身体の内側から整える視点が重要です。
「もう一度、別の角度から体を見直してみたい」
「これ以上薬に頼らず、自分の体を整えたい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
中医学(漢方)の視点で、新たな可能性が見えてくるかもしれません。
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この記事を書いた人
神谷 和憲(かみや かずのり)
和ひのき薬局 薬剤師/漢方相談担当
後鼻漏・上咽頭炎など、長引く不調にお悩みの方に寄り添いながら、
漢方と食養生での改善をサポートしています。
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