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・後鼻漏の痰が黄色・緑色に?─色や粘りから知る炎症の目安

「のどに痰が流れ落ちて気持ち悪い」
「鼻水が喉に落ちて、ネバネバして切れない」
そんな後鼻漏のご相談が、和ひのき薬局には日々寄せられます。
そういった相談において
必ず確認する内容の1つは「鼻汁や痰の色&粘り」です。
ここには症状の深さや体の状態を見極める重要なヒントがあります。
色は粘膜の炎症レベルを映し出す
通常、健康な時の鼻汁は無色透明でサラサラしています。
この段階では喉に落ちても違和感は少なく、
「後鼻漏」として自覚されにくいことがほとんどです。
しかし、風邪やアレルギー、疲労などで粘膜に炎症が起こると、
鼻汁は白く濁り始め、さらに炎症が進むと
黄色・茶色・緑色と色が濃く、粘りも強くなっていきます。
これは、体内に「熱」や「毒」がこもっているサインであり、
感染や慢性炎症の可能性がある状態となります。
鼻汁・痰の色と意味の目安
色 推察される状態
透明(無色) → 正常、軽度のアレルギーなど
白色 → 粘膜の軽い炎症や浮腫、風邪の初期
黄色〜茶色〜緑色 → 炎症が進行・熱が強い(副鼻腔炎・上咽頭炎など)
こうした色の変化は、症状の経過や背景を読み解く上でとても重要となります。
ご相談の際には、いつ頃から・どんな色が・どのくらいの頻度で出るかなど
丁寧に確認しています。
粘り気も「水はけ」の悪さや炎症のサイン
もうひとつ見逃せないのが「粘り」の具合です。
粘り 推察される状態
サラサラ → 正常または軽度のトラブル
ネバネバ・トロトロ → 水分代謝の悪化、体に湿がたまっている
粘性高い/臭いが強い → 炎症が強く、熱毒や痰湿が停滞している
「痰が絡んで出せない」
「のどの奥にいつまでも残る感じがする」
そんな場合は、単なる一過性の風邪ではなく、
副鼻腔炎・上咽頭炎・慢性咳嗽などが
背景にある可能性も考えます。
さらに、季節の変わり目、疲労、胃腸の弱りなどが引き金になって
粘膜の回復が追いつかず、慢性化しているケースも
これまで経験的に多いと感じます。
後鼻漏は「結果」だから体質から整える
漢方では、後鼻漏は「ただの症状」ではなく、
体の中で起こっているアンバランスの結果
ととらえて対応しています。
そのため、「後鼻漏=〇〇湯」といった
単純に病名や症状で処方すると、
全く効かなかったり、
逆の体質に用いてしまい悪化も起こります。
(→症状は合っていても冷えタイプに漢方の構成が冷やす処方では合いません)
また例えば黄色い痰でも…
・胃に熱がこもりやすいタイプ(飲食の不摂生・口臭あり)
・肺が乾いているタイプ(空咳・喉の渇き)
・脾が弱くて湿がたまるタイプ(疲れやすい・舌に歯痕)
では、用いる漢方薬もアプローチもまったく異なります。
ですから「鼻汁の色」や「痰の粘り」は、
その人の体質や今の状態を映すサインとして
とても大切になるのです。
「整える」ことを大切に再発しない体へ
和ひのき薬局では、後鼻漏の症状をただ止めるのではなく、
・なぜ今、その症状が出ているのか?
・何が体のバランスを崩しているのか?
という根本から見つめ直すお手伝いをしています。
漢方薬を選ぶ際も、症状だけでなく、
食事・体質・生活リズムなどを細かくお聞きしながら、
その人に合った処方と整え方をご提案します。
「痰の色が気になる」
「のどに違和感が続いてスッキリしない」
そう感じたら、どうぞ一人で悩まず、
ご自身の体のサインを一緒に考えていましょう。
経験豊富な専門家にご相談下さい。