ブログ

 ›
 ›
麦門冬湯が合う慢性上咽頭炎・後鼻漏|乾燥・空咳・粘膜過敏タイプの特徴

麦門冬湯が合う慢性上咽頭炎・後鼻漏|乾燥・空咳・粘膜過敏タイプの特徴

麦門冬湯が合う慢性上咽頭炎・後鼻漏|乾燥・空咳・粘膜過敏タイプの特徴
「のどがイガイガする」
「少し乾燥するだけで咳払いしたくなる」
「後鼻漏(こうびろう)が少量でも気になる」
「エヘンエヘンが止まらない」

このような慢性上咽頭炎・後鼻漏のご相談では、
麦門冬湯(ばくもんどうとう)を使うケースがあります。

ただ実際には、
慢性上咽頭炎・後鼻漏=麦門冬湯
というほど単純ではありません。

漢方相談では、
・粘液の量
・ネバつき
・乾燥
・粘膜の敏感さ
・炎症の状態
などによって、考え方が変わることがあります。

今回は、実際の漢方相談で感じている、
麦門冬湯が合いやすい慢性上咽頭炎・後鼻漏の特徴
を整理していきます。


麦門冬湯が合いやすい慢性上咽頭炎・後鼻漏の特徴
麦門冬湯が合いやすい方では、
・のどが乾燥しやすい
・イガイガする
・空咳が続く
・エヘンエヘンが止まらない
・少量の後鼻漏でも気になる
・会話すると悪化する
・空気の変化で刺激を受けやすい
こうした特徴が見られることがあります。

特に慢性上咽頭炎では、
炎症そのものだけでなく、
「粘膜が敏感になっている状態」
が関係しているケースも少なくありません。

そのため、少量の刺激でも反応し、
咳払いが止まらなくなることがあります。


■ 後鼻漏でも「鼻水の量」だけが問題ではないことがあります
後鼻漏というと、
・鼻水が大量に流れる
・黄色い鼻汁
・副鼻腔炎
・ネバネバした痰
をイメージされる方も多いと思います。

もちろん、そのような「炎症タイプ」もあります。

ただ実際の相談では、
鼻水の量そのものより、

・粘膜の乾燥
・敏感さ
・刺激への反応
・空咳や咳払い
が主体になっているケースも少なくありません。

この場合は、
単純に「鼻水を減らす」だけでは改善しにくいことがあります。


■ 麦門冬湯は「養陰益気+降逆」の構成
麦門冬湯は、
・麦門冬(ばくもんどう)
・人参(にんじん)
・甘草(かんぞう)
・大棗(たいそう)
・粳米(こうべい)
・半夏(はんげ)
などで構成されています。

麦門冬には、
乾燥した粘膜を潤しながら整える
「潤肺生津(じゅんぱいせいしん)」の働きがあります。

また、人参・甘草・大棗・粳米などは、
弱った状態を支えながら、潤いを回復しやすい状態へ導く
「益気生津(えっきせいしん)」の構成になっています。

さらに半夏には、
上がった肺気や胃気を下げながら、
咳や違和感を落ち着かせる
「降逆下気(こうぎゃくげき)」の働きがあります。

つまり麦門冬湯は、
・乾燥して敏感になった粘膜を潤しながら
・弱った状態を回復方向へ支え
・上がった肺気を下ろしていく
という特徴を持った処方です。

そのため、
・乾燥
・空咳
・粘膜過敏
・エヘン虫
・少量でも気になる後鼻漏
などを伴うケースで使われることがあります。


■ 慢性上咽頭炎では「粘膜疲労」が続いていることがあります
慢性上咽頭炎では、
炎症を繰り返すことで、
粘膜が刺激に弱くなったり、
回復しにくい「粘膜疲労」のような状態になることがあります。

・乾燥しやすい
・刺激に弱い
・少量でも気になる
・咳払いが止まらない
といった状態が見られることがあります。

実際には、
「痰が大量にある」
というより、

「少しの刺激でも反応してしまう」
ケースも少なくありません。

このような場合は、
単純に炎症を抑えるだけではなく、

「回復しやすい粘膜環境を整える」
という視点も大切になることがあります。


■ 麦門冬湯だけでは合わないケースもあります
一方で、
・黄色い痰や鼻汁が多い
・ネバネバが強い
・副鼻腔炎が主体
・鼻づまりが強い
・水分停滞が強い
・胃腸が弱く痰が増えている

このような場合は、
麦門冬湯だけでは合わないこともあります。

例えば、
・炎症や熱が強いタイプ
・鼻閉主体のタイプ
・ネバネバした痰が多いタイプ
では、別の方向から考えることもあります。

つまり同じ「後鼻漏」「慢性上咽頭炎」でも、
生薬構成によって、合いやすい方向性は変わってくるということです。


■ 和ひのき薬局では
和ひのき薬局では、
後鼻漏や慢性上咽頭炎という病名だけではなく、

・どのタイプなのか
・なぜ長引いているのか
・粘膜がどのような状態なのか
・身体が何を処理しきれなくなっているのか
を整理しながら漢方相談を行っています。

長引く後鼻漏や慢性上咽頭炎では、
「炎症だけ」
「鼻水だけ」
では説明できないケースも少なくありません。

だからこそ、
今の身体の状態を整理することが大切なのかもしれません。


あわせて読みたい
►慢性上咽頭炎では「炎症×粘液×線毛の働き」を整える視点も重要です
慢性上咽頭炎の漢方|粘膜の状態で漢方薬を選びましょう

►後鼻漏には「鼻タイプ」「炎症タイプ」「粘膜過敏タイプ」など様々な状態があります
後鼻漏が治らない|鼻・のど・粘膜の状態を6つの視点で解説