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長引く後鼻漏・上咽頭炎|Bスポット療法で治らない方へ、漢方薬の選び方と体質改善のすすめ

長引く後鼻漏・上咽頭炎|Bスポット療法で治らない方へ、漢方薬の選び方と体質改善のすすめ

長引く後鼻漏・上咽頭炎|Bスポット療法で治らない方へ、漢方薬の選び方と体質改善のすすめ

のどの違和感、なかなか治らない
「後鼻漏・上咽頭炎」に悩んでいませんか?

・鼻水がのどに流れてくる
・のどがイガイガする
・いつも痰が絡んでいる感じがする
・のどに何か張り付いているような違和感

このような症状が続いて病院で
「上咽頭炎」と診断されると、
Bスポット療法(EAT療法)
が提案されることがあります。

しかし、

「Bスポット療法を受けてもよくならない…」
という方も一定数いらっしゃいます。

それは上咽頭だけに炎症があるのではなく
鼻の粘膜にまで炎症が広がっている
からかもしれません。


上咽頭と鼻の粘膜は「つながっている」
上咽頭と鼻の粘膜は
どちらも繊毛上皮という構造をしていて
まるで「同じカーペット」のように
連続しています。

つまり

のどの炎症だけを治療しても
鼻側の粘膜に炎症が残っていると
一時的に良くなっても
また再発してしまう
ということが起きるのです。


MRI・CTで分かる「副鼻腔の炎症」が隠れているケース
実際のご相談の中には、

耳鼻科では「鼻はきれい」と言われた
でも脳のMRI・CTを撮ったら
「副鼻腔炎がある」と言われた
という方がいらっしゃいます。

特に「篩骨洞(しこつどう)」や
「蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)」という
鼻の奥の副鼻腔に炎症があると、
鼻水がのどに流れる=後鼻漏の原因になりやすく
Bスポットだけでは不十分なケースがあります。

では、漢方ではどう考えるか?
中医学では「病名」ではなく、
「体質」と「粘膜の状態」に着目して
対処していきます。

❶ 鼻粘膜のむくみ・うっ血を取る
まず鼻の粘膜が腫れていると判断した場合
うっ血を取り、余分な水を排出する漢方薬を使います。

❷ のどの炎症を抑える
鼻の状態が落ち着いてきたら
次にのどの炎症を抑える(清熱)
漢方薬を検討します。

❸ 粘膜の修復と潤いを保つ(滋陰)
炎症の火を消したあと、
傷んだ粘膜を再生・保湿する目的で、
潤いを補う漢方(滋陰薬)を用います。


漢方薬だけでなく、土台作り=食養生がカギ
漢方薬はとても優れた方法ですが、
「食生活」が炎症体質を作っている場合、
どんなに良い薬を使っても改善しにくいことがあります。

たとえば、

・症を助長するような刺激物を日常的に食べていませんか?
・粘膜を潤す栄養が不足していませんか?

粘膜をうるおし、再生させるためには、
・胃腸がしっかり吸収できる状態か?
・気血の流れが滞っていないか?
・十分な「材料」がそろっているか?
といった体の基盤が大切になります。


漢方薬の選び方|病名で決めてはいけない理由
「上咽頭炎には〇〇湯」
「後鼻漏には××湯」
といった、病名だけで
漢方薬を選ぶやり方は、中医学では行いません。

同じ「後鼻漏」でも
以下のような違いがあります。

  症状のタイプ       体質の例      処方の方向性   
黄色く粘りのある痰    熱がこもるタイプ    清熱・排膿
透明でサラサラした鼻水  冷え・水分過多タイプ  温陽・利水
繰り返す咽頭の炎症    潤い不足タイプ     滋陰・補気
 
最後に:Bスポット療法で改善しない方へ
「何度も繰り返す上咽頭炎」
「後鼻漏が続き、のどの違和感が取れない」
「Bスポット療法だけでは限界を感じている」

こういった方は、一度体質を見直し、
鼻との関係や食生活まで含めた
“体全体”の調整をしてみるのもひとつの方法です。

経験豊富な専門家に相談しながら、
漢方&食養生で
「炎症が出にくい体づくり」
を始めてみてください。