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慢性上咽頭炎が漢方で改善した症例|bスポットで楽になっても戻っていた60代女性

慢性上咽頭炎が漢方で改善した症例|bスポットで楽になっても戻っていた60代女性

慢性上咽頭炎が漢方で改善した症例|bスポットで楽になっても戻っていた60代女性
「bスポットをすると楽になるのに、また戻ってしまう」

「後鼻漏がずっと続いている」

慢性上咽頭炎の漢方相談では、このようなお話を伺うことがあります。

今回ご紹介するのは、コロナ感染後に副鼻腔炎となり、
その後も後鼻漏や喉の張り付き、口の乾燥が続いていた60代女性の症例です。

耳鼻科で治療を続け、bスポット治療を受けると一時的には楽になる。

しかし、しばらくするとまた症状が戻ってしまう。

そんな状態を繰り返していました。

漢方相談では上咽頭の炎症だけを見るのではなく、
「なぜ、この方は楽になってもまた戻ってしまうのだろう?」
というところから身体全体の状態を見ていきました。


■ コロナ感染後から症状が長引く
60代女性。

コロナ感染後に副鼻腔炎となり、その後も後鼻漏が続いていました。

ご相談時には、
・痰は出せないが、喉に張り付いている感じがする
・食後になると後鼻漏が増える
・喉が熱くなる感じがある
・口の中が乾燥する
といった症状がありました。

口腔内の乾燥に対しては、サリグレンを服用されていました。

耳鼻科での治療でも改善しきらず、
bスポット治療を受けると楽になるものの、
また症状が戻ってしまう。

その繰り返しでお困りになり、漢方相談に来られました。


■ bスポットで楽になるのに、また戻ってしまう
今回の方は、bスポット治療を受けた後は症状が楽になっていました。

ただ、時間が経つとまた戻ってしまいます。

そこで大切にしたのは、
「bスポットが効くか、効かないか」
ということだけではありませんでした。

なぜ処置をすると楽になるのに、その状態を維持できないのか。

身体の状態を詳しく伺っていくと、
・もともと胃腸が弱い
・朝になってもお腹が空かない
・下痢をしやすい
・手足の冷えが強い
といった背景がありました。

さらに、口が乾くため、水分を多く摂っていました。

上咽頭の炎症だけではなく、
胃腸や冷え、水分の摂り方なども含めて、
身体全体に回復しにくくなっている背景があるのではないか
と考えました。

bスポット治療を続けても改善しにくい方には、
粘膜の回復力だけでなく、
鼻からの刺激や身体への負荷などが関係していることがあります。

詳しくはこちらの記事にまとめています。
→bスポット治療を続けても症状が残る慢性上咽頭炎・後鼻漏|漢方相談で体全体を見る理由
 

■ 口が乾くため、水分を多く摂っていた
今回の症例で特に特徴的だったのが、
口が乾くため、水分を多く摂っていたことでした。

口が乾燥すれば、
「身体の水分が足りないのでは?」
と考えて、水分を増やしたくなると思います。

もちろん、身体に必要な水分を摂ることは大切です。

ただし、飲んだ水分がそのまま身体の潤いとして使われるとは限りません。

中医学では、飲食したものから身体に必要なものをつくり、
全身へ届けるためには、胃腸の働きが大切だと考えます。

この方は、
・朝になってもお腹が空かない
・下痢をしやすい
・手足が冷たい
という状態でした。

そのため、水分をたくさん摂っても、
それをうまく身体に必要な潤いとして
利用できていなかった可能性があります。

すると、
口が乾く
↓
水分を多く摂る
↓
胃腸への負担が増える
↓
飲んだ水分をうまく利用できない
という流れが起こります。

「乾燥している=とにかく水分を増やせばよい」とは限らない
ということです。


■ 食後に後鼻漏が増えることも大切なヒントだった
もう一つ、
この方の身体の状態を考えるうえで大切だったのが、
「食後になると後鼻漏が増える」
という訴えでした。

食事をすると、胃腸は食べたものを消化・吸収するために働きます。

もともと胃腸が弱っている方では、
食後に負担が大きくなり
身体の中の水分をうまく処理できなくなることがあります。

この方の場合、
・朝になってもお腹が空かない
・下痢をしやすい
・水分摂取量が多い
・食後に後鼻漏が増える
という状態が重なっていました。

そのため、上咽頭の炎症だけを追うのではなく、
胃腸の働きや身体全体の水分の巡りも含めて
整えていく必要があると考えました。


■ 漢方で整えた3つのポイント
身体の状態を確認しながら、
大きく3つの方向で漢方を考えました。

① 全身の巡りを整え、温める
② 粘膜に必要な潤いを補い、回復しやすい状態をつくる
③ 残っている炎症を落ち着かせる

初期には炎症が強かったため、熱を冷ますことも意識しました。

ただし、ずっと同じ漢方を続けたわけではありません。

口の乾燥や喉の状態、胃腸の変化などを確認しながら、
その時々の身体の状態に合わせて調整していきました。

慢性上咽頭炎の漢方では、
病名だけで漢方を決めるのではなく、
粘膜がどのような状態になっているのかを見ることも大切です。

炎症・粘液・線毛という粘膜の状態から、
慢性上咽頭炎の漢方をどのように考えているのかについては、
こちらの記事にまとめています。
→慢性上咽頭炎と漢方|症状・体質に合わせた漢方薬の考え方


■ 漢方だけでなく、食事と水分の摂り方も見直した
漢方と一緒に、日常生活についても見直していただきました。

お伝えしたのは、
・間食をやめ、和食中心の食事にする
・水分は「量」だけでなく「飲み方」を見直す
・冷たい飲み物を避け、人肌以上の温度で少量ずつ摂る
ということです。

特に大切にしたのは、
「口が乾くから、たくさん水を飲む」
という量だけの考え方から、

「飲んだものを身体がきちんと利用できる状態をつくる」
という方向へ変えていくことでした。


■ 1か月後|まず「お腹が空く」ようになった
漢方と養生を始めて1か月後。

最初に見られた大きな変化は、
後鼻漏そのものではありませんでした。

「お腹が空くようになりました」
という変化でした。

さらに、
・口の渇きが軽減
・水分摂取量が自然に以前の半分ほどに減少
していきました。

水分を無理に我慢して減らしたわけではありません。

身体の状態が変わっていくにつれて、
以前ほど水分を欲しなくなったのです。

後鼻漏だけを追っていたら見落としてしまう変化ですが、
この方の身体が整っていくうえでは大切な変化だったと考えています。


■ 3か月後|喉の張り付きと乾燥感が軽減
3か月ほど経過すると、
・夜間尿が減少傾向
・喉に張り付く感じが軽減
・口や喉の乾燥感が楽になる:
という変化が見られました。

最初から喉の症状だけが一気になくなったわけではありません。

まず空腹感や口の渇き、水分摂取量に変化が現れ、
その後、喉の張り付きや乾燥感も少しずつ楽になっていきました。

症状だけでなく、身体全体の変化を見ながら経過を追っていく。

今回の症例では、この部分も大切だったと感じています。


■ 6か月後|症状はほぼ気にならず、bスポットの頻度も減少
約6か月後。

後鼻漏や喉の違和感は、ほとんど気にならない状態になりました。

そしてもう一つ大きかったのが、
bスポット治療を受ける頻度も自然に減っていったことです。

相談当初は、
「bスポットをすると楽になる。でも、また戻る」
という状態を繰り返していました。

それが身体全体を整えていくにつれて、
以前のように症状を繰り返すことが少なくなっていきました。


■ 今回の症例で大切だったこと
今回の症状は、コロナ感染後の副鼻腔炎をきっかけに始まりました。

ただ、
その後も長引いていた背景には、
上咽頭の炎症だけではなく、

・胃腸の弱り
・冷え
・水分をうまく利用できない状態
・口や喉の乾燥
・粘膜が回復しにくい状態
などが重なっていた可能性があると考えています。

bスポット治療で一時的に楽になっていたことからも、
上咽頭への処置はこの方にとって意味があったのだと思います。

ただ、それだけではまた戻ってしまっていました。

そこで漢方相談では、
「炎症をどうするか」だけでなく、
「なぜ、この方の身体は回復しきれないのか」
というところまで見ていきました。

慢性上咽頭炎が長引く背景には、
炎症だけでなく、粘膜の潤いや回復力などが関係していることがあります。

「なぜ治療しても戻ってしまうのか」を粘膜の状態から詳しく知りたい方は、
こちらの記事にまとめています。
→慢性上咽頭炎が治らない理由|粘膜が回復できない3つの要因


■ 同じ慢性上咽頭炎でも、身体の状態は一人ひとり違う
今回の方には、

・bスポットをすると楽になるが、また戻る
・後鼻漏が長期間続いている
・喉に何かが張り付く感じがある
・口や喉が乾燥する
・水分を多く摂っている
・食後に後鼻漏が増える
・胃腸が弱い
・冷えがある
という特徴がありました。

ただし、慢性上咽頭炎がある方すべてが、
同じ状態というわけではありません。

同じ病名でも、症状が長引いている背景は人によって違います。

大切なのは、今回と同じ漢方を使うことではなく、
「なぜ、自分の身体ではこの症状が続いているのか」
を見ていくことです。

症状だけではなく、その人の身体全体を見る。

今回の症例でも、
そこが改善につながる大切なポイントだったと感じています。


■ 和ひのき薬局の漢方相談
和ひのき薬局では、
慢性上咽頭炎という病名だけを見て
漢方を選んでいるわけではありません。

これまでの経過や、
・胃腸の状態
・冷えや熱
・食事
・水分の摂り方
・睡眠や生活習慣
・粘膜の状態
・身体全体の回復力
などを確認しながら、

「なぜ、この方の身体に今この症状が出ているのか」
を一緒に考えていきます。

慢性上咽頭炎が長引き、
「治療をすると楽になるけれど、また戻ってしまう」
という方は、一度ご相談ください。

漢方相談は予約制です。
ご予約は公式LINEまたはお電話から承っています。