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後鼻漏が喉に張り付く・痰が切れない|「ネバつくタイプ」の特徴と漢方的な考え方

後鼻漏が喉に張り付く・痰が切れない|「ネバつくタイプ」の特徴と漢方的な考え方

後鼻漏が喉に張り付く・痰が切れない|「ネバつくタイプ」の特徴と漢方的な考え方
「鼻水がのどに流れている感じがする」
「のどに何か張り付いて不快」
「痰がある感じがするのに、すぐに出せない」

このような後鼻漏(こうびろう)のご相談は少なくありません。

一般的には、
「鼻水が多くなり、のどへ流れ込む」
というイメージが強いですが、

実際の漢方相談では、
それだけでは説明できないケースも多く見られます。

特に、
・何かが張り付いている感じが続く
・痰がある感じがするのに、すぐに出せない
・ネバネバして切れにくい
・少量でも不快感が強い
・朝になると粘液が出る
といった特徴が見られるケースでは、

単純に「水が多い」だけではなく、
粘膜の乾燥や、粘液の質そのものが関係していることがあります。


■ 後鼻漏の「ネバつくタイプ」の特徴
このタイプは、鼻水の量自体は決して多くありません。

それにもかかわらず、
「粘膜に張り付いて切れない」
「常に違和感が残る」
ために非常に強い不快感を伴うのが特徴です。

漢方で見る後鼻漏には、
大きく分けていくつかのタイプがあります。

多くは「余分な粘液(水)が増えて流れ込むタイプ」ですが、

一方で、今回ご紹介するような
粘液がネバついて張り付き、
うまく処理できないタイプも存在します。


■ 「朝だけ痰が出る」「朝に後鼻漏が出る」のはなぜ?
実際の相談では、
「昼間はずっと張り付いている感じがする」
「でも朝になると痰が出る」
というケースがあります。

これは、寝ている間に少しずつ流れた粘液が、
のどにとどまりやすくなるためと考えられます。

特にネバつきが強い場合は、
サラサラと流れにくく、
夜の間に少しずつ溜まっていくことがあります。

そのため、朝起きて身体が起き上がることで、
まとまって出やすくなるケースがあります。

逆に日中は、
少量ずつ張り付くため、
違和感だけが続いてしまうことも少なくありません。

このようなタイプでは、
無理に出そうとするよりも、
・粘膜の状態
・粘液バランス
・回復力そのもの
を整えていく視点が重要になります。


■ 風邪をきっかけに粘膜バランスが崩れることもある
こうしたタイプでは、
もともと粘膜バランスを保つ力が弱っているところへ、
風邪による炎症が引き金となって一気に表面化する
という流れがよく見られます。

つまり、

風邪が「原因」というより、
もともとあった弱りを表面化させる「きっかけ」
という考え方になります。


■ 症例:喉に張り付く後鼻漏が続いた80代女性
83歳の小柄な女性。

「鼻水がのどに流れる」
「のどに張り付く感じがする」
に加えて、

「痰がある感じがするのに、すぐに出せない」
という違和感が続いていました。

ただし朝になると、
白色で泡状、やや粘性のある粘液
が出る状態でした。

経過としては、
風邪(のどの痛み・鼻水)のあとから発症。

耳鼻科では、
・エピナスチン
・クロルフェニラミン
・ベクロメタゾン点鼻
・麻黄附子細辛湯
などが処方されていましたが改善せず、

発症後4か月経過しても変化がないため、
ご相談に来られました。


■ 見立て|粘膜を回復する力が低下していた
お話を伺う中で、
・朝の空腹感がない
・体温が35度台
・胃腸が弱い傾向
が見られました。

さらに舌を確認すると、
地図舌(ちずぜつ)
がはっきり見られました。

地図舌は、
粘膜の潤いを保つ力や、再生する力の低下を考えるヒントになることがあります。

このことから今回は、
・潤いを作る力
・粘膜を再生する力
・巡らせる力
すべてが低下している状態と判断しました。

そのため、
風邪による炎症をきっかけに粘膜が傷ついたあと、
自然に修復しきれず、後鼻漏として残っている
と考えました。

なお、医師ではないため診断は行いませんが、
経過や症状の特徴からは、

上咽頭の炎症が長引いている状態が背景にある印象でした。
►上咽頭炎が治りきらない理由についてはこちら
上咽頭炎が治らない理由|Bスポット治療でも繰り返す人に多い3つの要因


■ 地図舌から見えた「潤いを保つ力」の低下
今回特徴的だったのは、
「のどの渇き」を強く訴えていないにもかかわらず、地図舌が見られた
という点です。

つまり単純な「水不足」ではなく、
潤いを保ち、粘膜を維持する力そのものが低下している状態
と考えました。

この状態では、
・粘膜の再生が追いつかない
・粘液バランスが崩れる
・ネバつきや張り付きが起こる
という悪循環が続きやすくなります。


■ 低体温の方は回復に時間がかかる傾向がある
さらに今回のケースでは、
体温が35度台
という点も重要でした。

低体温傾向の方は、
・代謝が低い
・再生力が弱い
・回復に時間がかかる
傾向があります。

実際の現場でも、
低体温の方ほど、粘膜の回復に時間がかかる
という印象があります。


■ 実際の経過
今回は、
・補腎陽(回復力の底上げ)
・補気・補陰(潤いと材料の補充)
・清熱(長引く炎症の調整)
を組み合わせながら整えていきました。

経過は、不快度の自己評価で

・1か月後:100 → 80
・2か月後:80 → 55
・4か月後:55 → 30
・8か月後:30 → 10
と徐々に低下し、症状は改善していきました。


■ 粘膜の再生が進むと後鼻漏も変化していく
特に印象的だったのは、
地図舌がゆっくり改善し、舌に苔が戻ってきたこと
です。

これは、
粘膜の再生力が回復してきたサイン
と考えられます。

無理に出そうとするのではなく、
粘膜そのものの状態が整ってくることで、
粘液は少しずつ自然に処理されやすくなっていきました。

その結果として、
張り付く感じや不快感も徐々に軽減していきました。


■ 回復までにかかる時間について
今回のケースでは、
・80代という年齢
・低体温
・持病あり
という背景もあり、回復には時間がかかる印象でした。

これまでの経験でも、
・年齢が高い
・病歴が長い
ほど、

粘膜の構造の乱れが大きく、
回復にも時間が必要になる傾向があります。


■ まとめ|後鼻漏は「水が多いだけ」で起こるわけではない
後鼻漏は、
単純に「余分な水(粘液)が多い」だけで起こるものではありません。

今回のように、
粘液のバランスが崩れ、ネバついて張り付くタイプ
も存在します。

このタイプでは、
無理に出そうとするよりも、
粘膜が整い、自然に処理できる状態へ戻していくこと
が大切になります。


■ 最後に
「のどに何か張り付いている感じが続く」
「痰がある感じがするのに、すぐに出せない」

このような違和感が長引いている場合、
表面的な対処だけでは改善しにくいことがあります。

後鼻漏は、
今の身体の状態によって考え方や対応も変わります。

体質や回復力も含めて整えていくことで、
少しずつ変化していくケースもあります。

お悩みの方は一度ご相談ください。


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