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【風邪のあとの後鼻漏】喉にへばりつく痰をすぐに出せないが続いた漢方症例(80代女性)
「鼻水がのどに流れている感じがする」
「のどにへばりついて不快」
このような後鼻漏(こうびろう)のご相談は多いのですが、
実はその原因は一人ひとり異なります。
一般的には
水分が多くなり、鼻水がのどへ流れ込む
というイメージが強いですが、
実際の現場では、それだけではありません。
■ 後鼻漏にはタイプがある
多くの場合は
「水が多くて流れてくるタイプ」
ですが一部に
乾いているわけではないのに、
ねばくて張り付くタイプ
が存在します。
今回ご紹介するのは、後者のタイプです。
■ ねばく張り付くタイプの特徴
このタイプの方は
・何かが張り付いている感じが続く
・痰がある感じがするのに、すぐに出せない
・ただし朝になると粘液が出ることがある
といった特徴があります。
このように
「常に違和感はあるのに、朝だけ出る」
という状態は
作られてはいるが、うまく処理できていない
サインと考えられます。
ここで起きているのは
水が多いのではなく
粘液の状態がうまく整わず、流れにくくなっていること
です。
本来、粘液は適度な潤いを保ち
流れて処理されるものですが
このバランスが崩れると
・分泌物が濃くなる
・ねばくなる
・流れずに張り付く
という状態になります。
■ 風邪をきっかけに表面化するケース
こうしたタイプは
もともと粘液のバランスを保つ力が弱っている状態
に対して、
風邪による炎症が引き金となり
一気に粘膜のバランスが崩れて表面化する
という流れで発症することが多いです。
つまり
風邪が原因ではなく「きっかけ」
という捉え方になります。
このように
後鼻漏がなかなか治らない背景には、
体の回復力やバランスの問題が関係していることも少なくありません。
こちらに治りにくい理由をまとめています
→【後鼻漏が治らない理由】
■ 症例:のどにへばりつく後鼻漏が続いたケース
83歳の小柄な女性。
「鼻水がのどに流れる」
「のどにへばりつく感じがする」
に加えて
「痰がある感じがするのに、すぐに出せない」
という違和感が続いていました。
ただし朝になると
白色で泡状、やや粘性のある粘液が出る状態でした。
経過としては
風邪(のどの痛み・鼻水)のあとから発症し、
耳鼻科では
・エピナスチン
・クロルフェニラミン
・ベクロメタゾン点鼻
・麻黄附子細辛湯
などが処方されていましたが改善せず、
発症後4か月経過しても変化がないためご相談に来られました。
■ 見立て:回復力が追いついていない状態
お話を伺う中で
・朝の空腹感がない
・体温が35度台
・胃腸が弱い傾向
が見られました。
さらに舌を確認すると
地図舌(ちずぜつ)=潤いを保つ力の低下
がはっきり見られました。
このことから
・潤いを作る力
・粘膜を再生する力
・巡らせる力
すべてが低下している状態と判断しました。
そのため
炎症がきっかけで粘膜が傷ついたあと
自然に修復しきれず、後鼻漏として残っている
と考えました。
なお、医師ではないため診断は行いませんが、
経過や症状の特徴から、
上咽頭の炎症が続いている状態が背景にあると考えました。
このような
上咽頭の炎症が長引く状態については、
なぜ繰り返すのか、なぜ治りきらないのかをこちらでまとめています。
→【上咽頭炎が治らない理由】
そこで今回は
・粘膜の潤いを補うこと
・回復力そのものを底上げすること
・長引く炎症を落ち着かせること
この3つの方向性を軸に整えていきました。
その結果、経過とともに症状は改善していきました。
体の反応を見ながら整えていく中で、
今回の見立てと経過には整合性があると考えています。
なお、今回のケースでは
「のどの渇き」は強く訴えられていませんでした。
それにもかかわらず、地図舌が見られたことから
潤いが不足しているというよりも
潤いを保ち、使う力そのものが低下している状態
と捉えました。
この状態では、粘膜の再生が追いつかず、
粘液のバランスも崩れやすくなります。
■ 低体温は「治りにくさ」のサイン
さらに今回のケースでは
体温が35度台
という点も重要でした。
低体温の方は
・代謝が低い
・再生力が弱い
・回復に時間がかかる
傾向があります。
実際の現場でも
低体温の方は治りきるまでに時間がかかる
という印象が強くあります。
■ 実際の経過
全体のバランスを見ながら
・補腎陽(回復力の底上げ)
・補気・補陰(潤いと材料の補充)
・清熱(長引く炎症の調整)
を組み合わせて対応しました。
経過は不快度の自己評価で
・1か月後:100 → 80
・2か月後:80 → 55
・4か月後:55 → 30
・8か月後:30 → 10
と徐々に低下して症状は改善していきました。
■ 地図舌の変化=粘膜の回復
特に印象的だったのは
地図舌がゆっくり改善し、
舌に苔が戻ってきたこと
です。
これは
粘膜の再生力が回復してきたサイン
です。
これに伴い
粘膜の再生力が回復し
粘液のバランスが整い
後鼻漏も自然と軽減していきました。
■ 回復までにかかる時間について
今回のケースでは
・80代という年齢
・低体温
・持病あり
という背景から
回復には時間がかかる印象
でした。
これまでの経験から
・年齢が高い
・病歴が長い
ほど
粘膜の構造の乱れが大きく
回復にも時間が必要になる傾向があります。
■ まとめ
後鼻漏は
「水が多い」だけで起こるものではありません。
今回のように
粘液のバランスが崩れ、ねばく張り付くタイプ
も存在します。
そしてこのタイプは
出そうとするよりも
粘膜が整い、自然に処理できる状態に戻ること
が大切です。
あわせて読みたい
→【後鼻漏が治らない理由】
→【上咽頭炎が治らない理由】
■ 最後に
「のどに何かが張り付いている感じが続く」
「痰がある感じがするのにすぐに出せない」
このような違和感が続いている場合、
表面的な対処だけでは改善しにくいことがあります。
体質や回復力を含めて整えていくことで、
少しずつ変化していくケースも多くあります。
お悩みの方は一度ご相談ください。
「のどにへばりついて不快」
このような後鼻漏(こうびろう)のご相談は多いのですが、
実はその原因は一人ひとり異なります。
一般的には
水分が多くなり、鼻水がのどへ流れ込む
というイメージが強いですが、
実際の現場では、それだけではありません。
■ 後鼻漏にはタイプがある
多くの場合は
「水が多くて流れてくるタイプ」
ですが一部に
乾いているわけではないのに、
ねばくて張り付くタイプ
が存在します。
今回ご紹介するのは、後者のタイプです。
■ ねばく張り付くタイプの特徴
このタイプの方は
・何かが張り付いている感じが続く
・痰がある感じがするのに、すぐに出せない
・ただし朝になると粘液が出ることがある
といった特徴があります。
このように
「常に違和感はあるのに、朝だけ出る」
という状態は
作られてはいるが、うまく処理できていない
サインと考えられます。
ここで起きているのは
水が多いのではなく
粘液の状態がうまく整わず、流れにくくなっていること
です。
本来、粘液は適度な潤いを保ち
流れて処理されるものですが
このバランスが崩れると
・分泌物が濃くなる
・ねばくなる
・流れずに張り付く
という状態になります。
■ 風邪をきっかけに表面化するケース
こうしたタイプは
もともと粘液のバランスを保つ力が弱っている状態
に対して、
風邪による炎症が引き金となり
一気に粘膜のバランスが崩れて表面化する
という流れで発症することが多いです。
つまり
風邪が原因ではなく「きっかけ」
という捉え方になります。
このように
後鼻漏がなかなか治らない背景には、
体の回復力やバランスの問題が関係していることも少なくありません。
こちらに治りにくい理由をまとめています
→【後鼻漏が治らない理由】
■ 症例:のどにへばりつく後鼻漏が続いたケース
83歳の小柄な女性。
「鼻水がのどに流れる」
「のどにへばりつく感じがする」
に加えて
「痰がある感じがするのに、すぐに出せない」
という違和感が続いていました。
ただし朝になると
白色で泡状、やや粘性のある粘液が出る状態でした。
経過としては
風邪(のどの痛み・鼻水)のあとから発症し、
耳鼻科では
・エピナスチン
・クロルフェニラミン
・ベクロメタゾン点鼻
・麻黄附子細辛湯
などが処方されていましたが改善せず、
発症後4か月経過しても変化がないためご相談に来られました。
■ 見立て:回復力が追いついていない状態
お話を伺う中で
・朝の空腹感がない
・体温が35度台
・胃腸が弱い傾向
が見られました。
さらに舌を確認すると
地図舌(ちずぜつ)=潤いを保つ力の低下
がはっきり見られました。
このことから
・潤いを作る力
・粘膜を再生する力
・巡らせる力
すべてが低下している状態と判断しました。
そのため
炎症がきっかけで粘膜が傷ついたあと
自然に修復しきれず、後鼻漏として残っている
と考えました。
なお、医師ではないため診断は行いませんが、
経過や症状の特徴から、
上咽頭の炎症が続いている状態が背景にあると考えました。
このような
上咽頭の炎症が長引く状態については、
なぜ繰り返すのか、なぜ治りきらないのかをこちらでまとめています。
→【上咽頭炎が治らない理由】
そこで今回は
・粘膜の潤いを補うこと
・回復力そのものを底上げすること
・長引く炎症を落ち着かせること
この3つの方向性を軸に整えていきました。
その結果、経過とともに症状は改善していきました。
体の反応を見ながら整えていく中で、
今回の見立てと経過には整合性があると考えています。
なお、今回のケースでは
「のどの渇き」は強く訴えられていませんでした。
それにもかかわらず、地図舌が見られたことから
潤いが不足しているというよりも
潤いを保ち、使う力そのものが低下している状態
と捉えました。
この状態では、粘膜の再生が追いつかず、
粘液のバランスも崩れやすくなります。
■ 低体温は「治りにくさ」のサイン
さらに今回のケースでは
体温が35度台
という点も重要でした。
低体温の方は
・代謝が低い
・再生力が弱い
・回復に時間がかかる
傾向があります。
実際の現場でも
低体温の方は治りきるまでに時間がかかる
という印象が強くあります。
■ 実際の経過
全体のバランスを見ながら
・補腎陽(回復力の底上げ)
・補気・補陰(潤いと材料の補充)
・清熱(長引く炎症の調整)
を組み合わせて対応しました。
経過は不快度の自己評価で
・1か月後:100 → 80
・2か月後:80 → 55
・4か月後:55 → 30
・8か月後:30 → 10
と徐々に低下して症状は改善していきました。
■ 地図舌の変化=粘膜の回復
特に印象的だったのは
地図舌がゆっくり改善し、
舌に苔が戻ってきたこと
です。
これは
粘膜の再生力が回復してきたサイン
です。
これに伴い
粘膜の再生力が回復し
粘液のバランスが整い
後鼻漏も自然と軽減していきました。
■ 回復までにかかる時間について
今回のケースでは
・80代という年齢
・低体温
・持病あり
という背景から
回復には時間がかかる印象
でした。
これまでの経験から
・年齢が高い
・病歴が長い
ほど
粘膜の構造の乱れが大きく
回復にも時間が必要になる傾向があります。
■ まとめ
後鼻漏は
「水が多い」だけで起こるものではありません。
今回のように
粘液のバランスが崩れ、ねばく張り付くタイプ
も存在します。
そしてこのタイプは
出そうとするよりも
粘膜が整い、自然に処理できる状態に戻ること
が大切です。
あわせて読みたい
→【後鼻漏が治らない理由】
→【上咽頭炎が治らない理由】
■ 最後に
「のどに何かが張り付いている感じが続く」
「痰がある感じがするのにすぐに出せない」
このような違和感が続いている場合、
表面的な対処だけでは改善しにくいことがあります。
体質や回復力を含めて整えていくことで、
少しずつ変化していくケースも多くあります。
お悩みの方は一度ご相談ください。




