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喉が乾燥して空咳が続く慢性上咽頭炎|50回以上のBスポットでも改善しない60代女性
「のどがヒリヒリして痛い」
「乾燥してイガイガする」「空咳が出る」
このような症状が、コロナ感染をきっかけに長く続いている方のご相談です。
実際の現場でも、
「感染は治ったはずなのに、のどだけが戻らない」
というケースは少なくありません。
■強い炎症のあとに残った「やけどのような違和感」
60代女性。
主訴は、慢性上咽頭炎による
・のどのヒリヒリした痛み
・乾燥感、イガイガ
・空咳
特にコロナ感染後は、
「やけどのようにジリジリする感じ(本人談)」が強くなり、
日常生活にも支障が出ていました。
食事や会話のたびに違和感があり、
「常にのどに意識が向いてしまう状態」だったとのことです。
また、冷房の風に当たると悪化しやすく、
外出後に症状が強くなることから、
外に出ること自体に不安を感じるようになり、
行動範囲が徐々に狭くなっていました。
■耳鼻科治療・Bスポットでも治らない
これまでにBスポット治療を50回以上行い、
耳鼻科では
・カルボシステイン
・スプラタストシトル酸
・点鼻薬
が処方されていました。
また、
・鼻うがい
・口閉じテープ
などの指導も受けていましたが、
症状は改善せずに経過していました。
のどの痛みが強い時には
トラネキサム酸(トランサミン)やイブプロフェンを服用し、
一時的に楽になるものの、
「薬が切れるとまた戻る」
という状態を繰り返していました。
「いろいろやっているのに変わらない」
という不安も大きくなっていた印象です。
■体の状態|回復が追いつかない土台
詳しくお話を伺うと
・体温は35℃台で冷えが強い
・手足の冷えあり
・朝の空腹感がない
・冷えると下痢しやすい
といった傾向がありました。
舌は
・歯痕あり
・淡白でやや暗い
・白苔
が見られ、
「胃腸が弱く、気血水を十分に作れない状態」
「冷えにより巡りが悪く、回復力が発揮できない状態」
と考えました。
さらに体温が35℃台という状態から、
・体の働きそのものが低下しやすく
・粘膜の修復や炎症からの回復が遅れやすい状態
と捉えています。
実際の現場でも、
低体温の方ほど「治りきらない」「あと一歩が抜けない」
という経過になりやすい印象があります。
また、他の漢方薬局で
滋陰降火湯(補陰薬)を服用したところ
下痢が起こって飲めないほど胃腸が弱く
「補うこと自体を受け止めきれない状態」
も見られました。
■見立て|粘膜ではなく「回復力の低下」
コロナ感染による強い炎症で
上咽頭の粘膜がダメージを受けたことは確かですが、
この方のお話と体の状態から、
「炎症が残っていること」よりも
「回復できる状態にないこと」が問題だと判断しました。
本来であれば、
粘膜は時間とともに再生していきます。
それにもかかわらず改善しない場合は、
・粘膜を潤す力
・温める力
・巡らせる力
・守る力
これらが不足している状態です。
つまり
「粘膜の問題」ではなく
「回復する力の問題」と捉えました。
その結果、
炎症自体は落ち着いていても、
違和感だけが残り続けていた状態です。
■対応|体の土台から整える
そこで今回は、
その場の炎症だけを抑えるのではなく、
「回復できる体に戻す」ことを優先しました。
具体的には
・補腎陽(回復力の底上げ)
・補気補陰(材料の補充と潤い)
・清熱(残っている炎症の調整)
・活血(巡りの改善)
を組み合わせています。
また、食事内容についても見直しを行い、
胃腸に負担をかけないようにお伝えしました。
その方の体が「自分で治せる状態」に戻ることを目指した対応です。
■経過|外出できる自信が戻るまでの変化
1か月後
→ 不快度 100 → 70
スポーツジムへ行けるようになる
3か月後
→ 70 → 40
ヨガや太極拳を楽しめるようになる
体温も36℃台へ上昇
体温が上がってきたことで、
回復のスピードも少しずつ追いついてきた印象です。
5か月後
→ のどの違和感はほぼ気にならない状態へ
清熱・活血の薬は中止
その後も体調を見ながら継続し、
現在(開始から2年半)では
初回に見られた暗い舌の色も、
淡い紅色へと変化しています。
これは
血の巡りや冷えが改善し、
体の内側から整ってきたサイン
と考えられます。
なお、経過の中では
体調が良い時期に服用量が少なくなることもありましたが、
「整うと楽に過ごせる」
という実感が積み重なり、
ご自身の状態に合わせて無理なく続けていく形となっていました。
■今回のケースから分かること
慢性上咽頭炎が長引く場合、
炎症そのものだけでなく
「回復できる体の状態」
が大きく関係していることがあります。
特に
・冷えがある
・胃腸が弱い
・低体温
といった背景がある場合は、
粘膜の修復に時間がかかる傾向があります。
低体温の状態は珍しいものではありませんが、
体温が上がり、体が本来の働きを取り戻してくると、
自然と回復の流れに乗っていくことも多くあります。
なかなか改善しない場合は、
症状そのものだけでなく、
体温のような「体の土台」に目を向けてみることで、
変化のきっかけが見えてくることもあります。
■最後に
「のどの違和感が長く続いている」
「治療を続けているのに改善しきらない」
このような場合、
どこを治すかではなく
「体が回復できる状態にあるか」
という視点が重要になることがあります。
これは実際の現場で、
多くのご相談を通して感じていることです。
一人ひとり状態は異なりますので、
気になる方は一度ご相談ください。
あわせて読みたい
慢性上咽頭炎がなかなか改善しない場合は、
「炎症があるかどうか」だけでなく、
粘膜そのものが回復できない状態になっていることがあります。
特に、
・炎症が続いている
・潤いが不足している
・回復力が落ちている
といった状態が重なると、
違和感が長引きやすくなることがあります。
その背景については、こちらで詳しくまとめています。
→慢性上咽頭炎が治らない理由|粘膜が回復できない3つの要因
また、bスポット治療をしても
「一時的に楽になるが、また戻る」
という方には、
漢方相談の現場で見えてきた共通した特徴があります。
繰り返しやすい人の特徴については、こちらで整理しています。
→慢性上咽頭炎の後鼻漏|漢方相談から見えてきたbスポット治療が効かない人の3つの特徴




