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鼻の奥の乾燥・ドライノーズが治らない|4年間続いた70代女性の漢方症例

鼻の奥の乾燥・ドライノーズが治らない|4年間続いた70代女性の漢方症例

鼻の奥の乾燥・ドライノーズが治らない|4年間続いた70代女性の漢方症例
「鼻の奥が乾燥してヒリヒリする」
「薄皮がめくれたような違和感がずっと続いている」

鼻の中や鼻の奥が乾燥する、
いわゆる「ドライノーズ」でお困りの方がいらっしゃいます。

空気が乾燥する時期だけならまだしも、
季節に関係なく続いたり、
何年も治らなかったりすると、

「水分が足りないのかな?」
「年齢だから仕方ないのかな?」
と思われるかもしれません。

今回ご紹介するのは、
鼻の奥の乾燥が約4年間続いていた70代女性の症例です。

お話を伺っていくと、鼻だけでなく、
口の中にも「潤い不足」のサインが出ていました。


■4年間続いていた鼻の奥の乾燥とヒリヒリ感
70代女性。

約4年前から、鼻の奥の乾燥に悩まれていました。

・鼻の奥が乾燥する
・ヒリヒリする
・薄皮がめくれたように感じる
・鼻の奥に違和感が続く
といった状態です。

乾燥やヒリヒリ感を何とかしようと、
市販のステロイド軟膏を購入し、
自己判断で使いながらしのいでいたそうです。

しかし、なかなか根本的には改善しませんでした。


■鼻だけでなく、口の中も乾燥していた
詳しくお話を伺っていくと、もう一つ気になることがありました。

「唾液も少ない気がする」
とのことでした。

つまり、
・鼻の奥が乾燥する
・唾液が少ない
・口の中も乾燥する
という状態が同時に起きていました。

鼻だけが乾燥しているのであれば、
鼻の局所的な問題を考えることもできます。

しかし、鼻の粘膜だけでなく口の中まで乾燥している。

ここから、単に「鼻に何を塗るか」だけではなく、
身体全体の潤いを作る力まで見る必要があると考えました。


■水分を摂っているのに、なぜ乾燥するのか?
乾燥していると、
「もっと水を飲んだ方がいいのでは?」
と思うかもしれません。

ところが、この方は昼間にお茶などを飲み、
水分はしっかり摂っていました。

それでも、
・鼻の奥の乾燥
・ヒリヒリ感
・口の乾燥
・唾液の少なさ
は続いていました。

ここが今回の大切なポイントです。

身体の潤いは、飲んだ水の量だけで決まるわけではありません。

食事などから取り入れたものを身体が利用し、
必要な場所へ届け、
粘膜を保つことが必要です。

そのため、
水分を十分摂っていても、身体の状態によっては
「乾燥しているのに潤わない」ということがあります。


■食事にも「潤いを作る力」を弱らせるヒントがあった
さらに食事について詳しく伺いました。

すると、
・キャベツや白菜などの葉野菜が少ない
・間食でまんじゅうをよく食べる
といった習慣がありました。

そこで、
・葉野菜の比率を増やす
・甘いものを控える
・油っこいものを控える
・もち米製品を控える
といった食事の見直しも行いました。

特に、よく食べていた間食のまんじゅうは、
頻度を減らしていただきました。

鼻が乾燥しているからといって、
鼻だけを見るのではありません。

「身体はきちんと潤いを作れる状態なのか?」
という視点で、
普段の食事や胃腸の状態まで一緒に確認していきます。


■漢方では「脾・肺・腎」の状態も考えました
この方の場合、
漢方では「脾(ひ)・肺(はい)」の弱りに加えて、
年齢による「腎(じん)」の衰えも考えました。

「脾」は胃腸を中心とした、
食べたものから身体に必要なものを作り出す働き。

「肺」は鼻や喉などの粘膜とも関係が深いと考えます。

さらに70代という年齢も考慮しました。

中医学では、年齢とともに回復する力や
身体の潤いを支える力が低下してくることを
「腎虚(じんきょ)」という視点から考えることがあります。

そこで今回は、
・不足している潤いを補う
・潤いを作る力を整える
・年齢とともに低下した回復力を支える
という方向から漢方を考えていきました。


■約4か月後、鼻の乾燥だけでなく唾液にも変化
漢方と食事の見直しを続けていただきました。

約4か月後には、
・鼻の奥の乾燥が軽減した
・ヒリヒリする違和感がやわらいだ
・唾液が出るようになった
という変化を実感されました。

そして、
それまで使っていたステロイド軟膏も
使わなくてよくなりました。

鼻の奥だけを見ていたら、
「乾燥しているから何かを塗る」
という対応だけになっていたかもしれません。

しかし、
鼻と口の両方に出ていた乾燥を身体からのサインとして捉え、
身体全体の潤いと回復力を整えていったことで
変化につながりました。


■「水分は摂っているのに乾燥する」という違和感
漢方相談をしていると、
「水分はしっかり摂っているのに乾燥します」
という方は少なくありません。

そんな時に、
水分量だけを増やして解決しようとすると、
うまくいかないことがあります。

大切なのは、
どれだけ水分を摂ったかではなく、
その水分や食事から身体が必要な潤いを作り、
必要な場所で使える状態なのか
という視点です。

今回の方も、
水分そのものが足りなかったわけではありません。

身体の内側から「潤える状態」を
作っていく必要がありました。


■鼻や喉の粘膜は「潤い」だけで決まらない
鼻や喉の不調が長引いている方では、
粘膜の状態を考えることが大切です。

ただし、粘膜を整えるといっても、
単純に潤いを補えばよいわけではありません。

炎症が残っているのか、
粘液の状態はどうなのか、
粘膜そのものが回復できる状態なのか。

こうした違いによって、
漢方で考える方向も変わります。

慢性上咽頭炎を例に、
粘膜を「炎症・粘液・線毛」の3つの視点から考える方法については、
こちらの記事で詳しく解説しています。
→慢性上咽頭炎と漢方|症状・体質に合わせた漢方薬の考え方


■後鼻漏でも「乾燥」が関係することがあります
鼻や喉の症状というと、
「鼻水や痰が多い」
というイメージがあるかもしれません。

ところが実際の相談では、
・乾燥する
・少量の粘液が張り付く
・うまく流れない
・鼻や喉の違和感だけが残る
という方もいらっしゃいます。

後鼻漏が長引く背景を、
粘液の「量」と「流れ」から整理した記事はこちらです。
→後鼻漏の漢方的な治し方|粘液の「量と流れ」を整える視点


■まとめ
鼻の奥の乾燥やドライノーズが長く続いている場合、
「水分が足りない」
だけが原因とは限りません。

今回の70代女性も、水分はしっかり摂っていました。

それでも約4年間、
・鼻の奥が乾燥する
・ヒリヒリする
・薄皮がめくれたように感じる
・口も乾燥する
・唾液が少ない
という状態が続いていました。

そこで鼻だけを見るのではなく、
・潤いを作る力
・粘膜を整える力
・年齢とともに低下する回復力
・食事や胃腸の状態
まで含めて整えていきました。

その結果、
約4か月後には鼻の乾燥や違和感が軽減し、
唾液も出るようになり、
ステロイド軟膏も使わなくてよくなりました。

年齢とともに潤いが減っていくことは
自然な変化の一つです。

しかし、

「年齢だから仕方ない」と
「身体を整えても変わらない」は
同じではありません。

鼻の奥が乾燥しているのに、
水分を摂ってもなかなか潤わない。

そんな時は「もっと飲む」だけではなく、
身体が潤いを作り、使える状態になっているか
という視点から見直してみることも大切です。


■和ひのき薬局の漢方相談
和ひのき薬局では、
鼻の乾燥やドライノーズといった症状だけで漢方を決めるのではなく、
食事・胃腸・睡眠・年齢・体質なども含めて、
その方の身体全体を見ながら考えていきます。

「いろいろ試しているけれど、
鼻の奥の乾燥がなかなか治らない」

「水分を摂っているのに、鼻や口が乾燥する」
という方も、

身体全体を見直すことで
改善の糸口が見つかることがあります。

必要なタイミングでご相談ください。