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梅雨に後鼻漏が悪化する人の特徴とは?|余分な水と胃腸の関係を整える漢方養生

梅雨に後鼻漏が悪化する人の特徴とは?|余分な水と胃腸の関係を整える漢方養生

梅雨に後鼻漏が悪化する人の特徴とは?|余分な水と胃腸の関係を整える漢方養生
「梅雨になると、後鼻漏がひどくなる」
「鼻水が喉に流れ、痰が絡む感じがする」
「朝になると喉に粘液が張り付き、何度も咳払いをしてしまう」
「雨の日は身体が重だるく、頭もすっきりしない」

梅雨の時期には、このようなお悩みをお聞きすることがあります。

梅雨に後鼻漏が悪化する背景には、湿度の高さだけでなく、
胃腸の弱りや身体の水分代謝が関係している場合があります。

漢方では、
身体に不調をもたらす湿気を「湿邪(しつじゃ)」と呼び、
胃腸の働きに影響しやすいと考えます。

特に、普段から胃もたれや身体の重だるさ、むくみなどがある方では、
梅雨に鼻や喉の不調も重なることがあります。

ただし、
梅雨になると誰もが後鼻漏や慢性上咽頭炎が
悪化するわけではありません。

喉の乾燥が強い方では、
湿度が高くなることで不快感が軽くなることもあります。

大切なのは、季節だけで判断せず、
その方の身体がどのような状態にあるかを考えることです。


■ 梅雨の湿気と後鼻漏の関係
梅雨は湿度が高く、身体が重だるく感じられる方が増える季節です。

漢方では、湿邪には重く、停滞しやすいという特徴があると考えます。

そのため、梅雨になると、
・身体が重だるい
・頭が重い、すっきりしない
・胃がもたれる
・お腹が張る
・むくみが気になる
・鼻水や痰が増えたように感じる
といった不調が重なる方もいらっしゃいます。

ここで目を向けたいのは、
外の湿気だけでなく、もともとの身体の状態です。

漢方では、普段から余分な水を処理しにくい方は、
梅雨の湿気の影響も受けやすいと考えます。

鼻水が喉へ流れる後鼻漏の相談でも、
鼻の状態に加えて、
胃腸の調子やむくみ、身体の重だるさなどを確認します。

ただし、湿度が高いことだけで
後鼻漏の原因を説明できるわけではありません。

鼻炎や副鼻腔炎などの状態も踏まえながら、
その方の体質や生活を確認することが大切です。


■ 梅雨の後鼻漏で、胃腸の働きにも目を向ける理由
中医学では、食べ物の消化吸収や、そこから身体に必要なものを作り、
運ぶ働きなどを「脾(ひ)」という考え方で捉えます。

脾は「後天の本」と呼ばれ、
食べ物から身体に必要な気血や津液(潤い)を作る土台
と考えられています。

また、身体に入った水分を適切に巡らせる働きにも関係します。

梅雨の湿邪は、この脾の働きを妨げやすいと考えます。

一方で、
もともと脾の働きが弱っていると、
余分な湿が身体に停滞しやすいとも考えます。

つまり、漢方では、胃腸の弱りによって湿がたまり、
その湿がさらに胃腸の働きを妨げるという、
双方向の関係にも目を向けます。

停滞した余分な水分を「湿」や「痰湿(たんしつ)」と捉え、
鼻水や痰、身体の重だるさなどとの関係を考えます。

痰湿が関係すると考えられる方では、
・朝に鼻水や後鼻漏が多い
・喉に粘液が絡み、痰を出したくなる
・頭が重い
・身体がむくみやすい
・食後に胃がもたれる
・お腹が張る
といった症状が重なることがあります。

実際の漢方相談でも、
鼻や喉のお悩みを聞いているうちに、
胃腸の不調が見つかることがあります。

「食事は普通に食べられます」
そうおっしゃる方でも、詳しくお聞きすると、
「朝はお腹が空いていません」
「時間になったから食べています」
ということもあります。

食べられることと、胃腸が十分に働いていることは、
必ずしも同じではないと考えています。

朝に空腹感がないことだけで
胃腸の弱りを決めるわけではありませんが、
食事量に加えて、空腹感や食後の状態も
大切な手がかりにしています。

梅雨に後鼻漏が悪化する方では、
こうした胃腸の状態にも目を向けることが、
身体を見直すきっかけになります。

鼻タイプの後鼻漏と、
身体の余分な水の関係については、
こちらの記事で詳しく説明しています。
→副鼻腔炎・鼻炎など「鼻タイプ」の後鼻漏が長引く背景


■ 慢性上咽頭炎は梅雨に悪化する人も、楽になる人もいる
慢性上咽頭炎でお悩みの方も、梅雨の時期に症状が変化することがあります。

例えば、胃腸の弱りや身体の疲れが重なり、
喉の違和感や粘液の張り付きが気になる方もいらっしゃいます。

一方で、
喉や鼻の奥の乾燥が強い方では、
梅雨の湿度によって不快感が軽くなることもあります。

これは、店頭で漢方相談を続ける中で感じていることです。

同じ慢性上咽頭炎でも、身体の状態は一人ひとり違います。

喉に粘液が張り付くという訴えがあっても、
粘液が多い方と、
潤いが不足して少量の粘液でも不快に感じる方では、
考え方が異なります。

さらに、身体に余分な湿がある一方で、
鼻や喉の粘膜には必要な潤いが足りていない
と捉える方もいらっしゃいます。

梅雨だから湿を取り除けばよい、という単純な話ではありません。

その方の粘膜の状態や胃腸の働き、
身体の回復力などを考える必要があります。

「雨の日はつらいのか、それとも少し楽なのか」

季節や天候による変化も、
その方の身体を知るための大切な手がかりです。


■ 梅雨の後鼻漏に対する漢方の考え方
漢方相談では、
後鼻漏という症状だけで漢方薬を選ぶのではなく、
身体全体の状態を確認します。

例えば、次のような点を考えます。

① 胃腸が弱り、余分な湿がたまりやすい方
胃もたれ、食欲不振、身体の重だるさ、むくみなどがある場合は、
胃腸の働きを整え、余分な湿をさばくことを考えます。

余分な水を減らすことに加えて、
水分を適切に扱える身体の状態を整えるという視点です。

② 粘りのある痰や鼻水が気になる方
粘液の量や粘り、鼻づまりの有無、熱感などを確認し、
痰湿や熱の関与を考えます。

鼻水や痰があるというだけで、
すべて同じ状態と判断することはありません。

③ 喉の乾燥や粘膜の回復力が気になる方
喉のヒリヒリ、乾燥、少量の粘液の張り付きなどがある場合は、
潤いの不足や回復力にも目を向けます。

必要な潤いまで損なわないよう、
その方に余分なものと、
足りないものの両方を考えます。

実際には、これらが重なっている方もいらっしゃいます。

そのため、梅雨だから同じ漢方薬を使うということはありません。

大切なのは、身体が今どのような状態にあるのかを知ることです。


■ 梅雨の後鼻漏を悪化させない食養生と生活養生
梅雨の時期は、胃腸をいたわり、
余分な湿をため込まない生活を意識することも大切です。

ただし、すべてを一度に変える必要はありません。

ご自身の身体の状態や暮らしに合わせて、
負担になっていることがないかを確認してみましょう。

① 冷たい飲食物を摂りすぎていないか
蒸し暑くなると、冷たい飲み物や食べ物が増えやすくなります。

胃腸が弱っている方では、冷たいものが負担になる場合があります。

飲食した後に胃が重くなる、お腹が張る、便が軟らかくなる
などの変化がないかも確認してみてください。

身体の状態に合わせて、
温かい汁物や消化の良い食事も取り入れてみましょう。

② 甘いものや脂っこい食事が増えていないか
漢方では、甘いものや脂っこい食事の摂りすぎが、
胃腸の負担や痰湿につながると考えることがあります。

また、食欲が十分にないまま、
間食や食事を重ねていないかも振り返りたい点です。

食事を厳しく制限するのではなく、食べる量や内容が、
今の胃腸の状態に合っているかを見直すことが大切です。

③ 食材を上手に取り入れる
梅雨の食養生では、はと麦、とうもろこし、キャベツ、生姜などを、
目的や体質に合わせて取り入れることがあります。

ただし、これらはすべて同じ働きをする食材ではありません。

余分な湿が気になるのか、
胃腸の冷えが気になるのかなどによって、
選び方は変わります。

特定の食材だけで後鼻漏を改善しようとせず、
普段の食事全体を整える中で取り入れましょう。

④ 身体を動かし、十分に休む
雨の日が続くと、外出や身体を動かす機会が減ることがあります。

室内で軽く身体を動かすなど、
無理のない範囲で活動する時間を作りましょう。

身体が重だるいときも、無理に汗をかこうと頑張る必要はありません。

疲れが強いときは、睡眠や休息も大切です。

また、室内の湿度が高すぎる場合は、
除湿や換気などで過ごしやすい環境を整えることも役立ちます。

ただし、乾燥によって鼻や喉の不快感が増す方もいるため、
除湿のしすぎにも気をつけ、
その方が楽に過ごせる環境を考えます。


■ 梅雨の胃腸養生は、秋冬の身体づくりにもつながる
漢方では、脾は余分な湿を処理するだけでなく、
身体に必要な気血や津液を作る土台と考えます。

つまり、
胃腸を整える目的は、
余分な水を減らすことだけではありません。

身体に必要な潤いを作り、
健やかな状態を保つことも大切なのです。

胃腸の不調を抱えたまま次の季節を迎えるのではなく、
食べたものから身体に必要なものを作れる状態を整えておく。

そのような意味で、梅雨に胃腸をいたわることは、
夏の暑さによる消耗に備えるだけでなく、
乾燥しやすい秋冬に向けて身体を整えていくことにもつながる
と考えています。

今ある余分な湿と、これからも必要になる潤い。

この両方を考えることが、胃腸養生の大切なところです。

季節ごとに症状が出てから対応するだけでなく、
次の季節を元気に迎えるために、今できる養生を続ける。

これも、漢方相談で大切にしている視点です。


■ 梅雨になると後鼻漏が悪化する方へ
梅雨に後鼻漏が悪化すると、
どうしても鼻水や痰を何とかしたいと思うものです。

もちろん、鼻や喉の状態を確認することは大切です。

しかし、漢方相談では、それだけでなく、

・朝、お腹が空いているか
・食後に胃もたれがないか
・身体が重だるくないか
・むくみや頭重感がないか
・睡眠や疲労の状態はどうか
・湿度が高い日に、鼻や喉の症状がどう変わるか
といったこともお聞きします。

同じ梅雨、同じ後鼻漏でも、
背景にある身体の状態は異なります。

だからこそ、症状だけでなく、
その方自身を知ることが大切だと考えています。

和ひのき薬局では、
お一人おひとりの身体の状態や生活を丁寧にお聞きしながら、
漢方と養生を一緒に考えています。

無理な制限を重ねるのではなく、
ご自身の身体の変化に気づき、
暮らしの中で続けられることを見つけていく。

梅雨になると後鼻漏が悪化する方は、
鼻や喉だけでなく、胃腸の調子や冷え、むくみ、疲れなど、
身体全体の状態にも目を向けてみませんか。