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後鼻漏と水分摂取|「飲みすぎ」が長引く要因になることがあります

後鼻漏と水分摂取|「飲みすぎ」が長引く要因になることがあります

後鼻漏と水分摂取|「飲みすぎ」が長引く要因になることがあります
「後鼻漏があるけれど、水はたくさん飲んだ方がいいの?」

「水を飲むと、かえって鼻水や痰が増える気がする」

「のどが気持ち悪くて、つい何か飲んでしまう」

このようなお悩みを漢方相談でお聞きすることがあります。

後鼻漏(こうびろう)が長引いている方の中には、
良かれと思って続けている水分の摂り方が、
身体の状態に合っていないケースがあります。

ただし、水を飲みすぎていることだけが
後鼻漏の原因とは限りません。

大切なのは、
身体の水分バランスや胃腸の働き、
日々の飲み方などを一緒に確認することです。

今回は、後鼻漏と水分摂取の関係について、
実際の漢方相談で大切にしている視点をお伝えします。


■後鼻漏がある時は「水が多い状態」になっていることがあります
朝起きると口から粘液を吐き出したくなる。

・鼻水がのどに流れる。
・鼻の奥が詰まる。
・慢性副鼻腔炎を繰り返す。

こうした症状がある方の中には、
中医学(漢方)でいう「痰湿・痰飲・痰濁」など、
身体の中に余分な水が停滞している
と考えられる状態の方がいらっしゃいます。

これは単純に水をたくさん飲んでいるという意味ではありません。

身体に入ってくる水分と、
それを処理して排泄する働きのバランスが乱れている
という見方です。

そのため、後鼻漏が長引く背景を考える際には、
水分をどれだけ飲んでいるかだけでなく、
身体が水分をどのように処理しているかにも目を向けています。


■後鼻漏で水を飲むと鼻水や痰が増える?
「水を飲むと鼻水が増える気がする」
「のどの粘液を流したくて水を飲んでいる」
このような方もいらっしゃいます。

のどに粘液が張り付いたり、痰が絡んだりすると、
水で流したくなるものです。

水分を摂ることで、
一時的にのどの不快感がやわらぐこともあります。

しかし、
もともと水分の処理が
うまくいっていないと考えられる方では、
必要以上の水分摂取が身体の負担になっている可能性もあります。

一方で、水を飲んだから必ず鼻水が増えるわけではありません。

水分不足によって粘液が濃くなり、
不快感が強まることもあります。

そのため、後鼻漏があるからといって、
一律に水分を減らすことはおすすめしていません。

その方の身体の状態に合った水分の摂り方を考えることが大切です。


■「良かれと思って」が負担になることがあります
実際の漢方相談では、
次のような飲み方をしている方がいらっしゃいます。

・のどが気持ち悪くて、無意識に何度も飲んでしまう
・健康のために、意識してたくさん水を飲んでいる
・コーヒーを大きなマグカップに入れ、毎回全部飲んでいる
・冷たい飲み物を一気に飲んでしまう
・口が渇いていなくても、手元にある飲み物を口にしている

ご本人は身体のために良いことをしているつもりです。

ところが、詳しくお話を聞いてみると、
今の身体には負担になっている可能性が見えてくることがあります。

ここで大切なのは、
水分摂取を悪いことと決めつけないことです。

なぜそのような飲み方になっているのか。

本当にのどが渇いているのか。

それとも、のどの違和感を紛らわせるために飲んでいるのか。

こうした日常の習慣も確認していきます。


■こんな身体の状態はありませんか?
中医学では、
余分な水が停滞している状態を考える際に、
後鼻漏以外の症状も参考にします。

例えば、
・朝起きた時に身体が重だるい
・雨の日や湿気の多い日に調子が悪い
・痰が絡みやすい
・のどに何かへばりつく感じがある
・頭が重い、フワフワする
・便がベタついてスッキリしない
・足が重い、むくみやすい
・食欲が落ちやすい
といった状態です。

舌診では、舌苔が厚く、ベタベタしていることもあります。

ただし、これらの症状だけで
水分の摂りすぎや痰湿と判断できるわけではありません。

実際の漢方相談では、
複数の症状や生活習慣、
身体全体の状態を合わせて確認しています。


■水が多いと身体に起こりやすいこと
中医学では、身体に余分な水である「湿」が停滞すると、
さまざまな不調につながると考えます。

例えば、
・全身の重だるさ
・足の重さやむくみ
・頭重感
・首、肩、腰の重さ
・食欲低下
・吐き気
などです。

耳鼻科に関係するお悩みでも、
・痰が絡む
・咳払いが増える
・朝起きた時にのどが気持ち悪い
・いびきが気になる
・めまいや頭痛、フワフワ感がある
といった症状を併せ持つ方がいらっしゃいます。

もちろん、これらの症状にはさまざまな原因があります。

そのため、後鼻漏だけを見るのではなく、
身体全体にどのような変化が起こっているのか
を確認することが大切です。


■原因は「飲みすぎ」だけではありません
身体に余分な水が停滞する背景には、
中医学では大きく分けて次のような状態があると考えます。

・身体の水分を処理する働きが弱っている
・今の身体に対して水分を多く摂りすぎている
・その両方が重なっている

例えば、胃腸の働きが弱っている方では、
水分の摂り方だけでなく、
食生活全体を見直す必要がある場合もあります。

また、水をたくさん飲んでいなくても、

・麺類が多い
・甘いものが多い
・果物を多く食べている
・濃い味を好む
といった食習慣が、中医学的な水分バランスの乱れに
関係していると考えることもあります。

だからこそ、
単に「水を減らしましょう」で終わるのではありません。

身体の状態と生活習慣の両方を見ていくことが大切です。


■実際の症例|水分をしっかり飲んでいた60代女性
実際の漢方相談でも、水分の摂り方が
身体の状態に合っていなかった方がいらっしゃいます。

長年、鼻炎や花粉症を繰り返し、
近年は副鼻腔炎や後鼻漏にも悩まされていた60代女性です。

この方は、身体のために水分をしっかり摂ることを心がけていました。

しかし、詳しくお話を聞くと、
胃腸の状態や便通、排尿などにも気になる点がありました。

そこで、漢方で身体を整えながら、
日々の水分の摂り方などの養生も一緒に見直していきました。

後鼻漏だけではなく、
身体全体の状態を確認することの大切さが分かる症例です。

詳しくはこちらの記事で紹介しています。
→副鼻腔炎・後鼻漏|「水分をしっかり飲む」を見直した60代女性の症例


■大切なのは「量」だけでなく「飲み方」
実際の漢方相談では、
水分の総量だけでなく、
飲み方のクセにも目を向けています。

例えば、
・大きなマグカップを小さなカップに変える
・一度に大量に飲まず、少量ずつ飲む
・冷たい飲み物を常温や温かいものに変える
・必要以上に無理して飲まない
・のどが渇いているのか、習慣で飲んでいるのかを意識する
といった工夫です。

特に大きなマグカップで飲んでいる方は、
器を変えるだけでも、
無意識に飲んでいた量に気づくことがあります。

また、冷たい飲み物を一気に飲む習慣がある方には、
温度や飲むペースを見直していただくこともあります。

大切なのは、水分を我慢することではありません。

暑い日や運動時、発熱や下痢などで
水分を失っている時には、十分な水分補給が必要です。

今の身体に必要な水分を、無理なく摂ること。

そのために、日頃の飲み方を振り返っていただいています。


■水分の摂り方を見直すことも大切な養生です
和ひのき薬局では、
後鼻漏の漢方相談で、
漢方薬だけでなく養生も大切にしています。

水分の摂り方を見直すことも、その養生の一つです。

実際に、
漢方と養生を組み合わせながら身体を整えていく中で、
後鼻漏や痰の絡みが軽くなってきた方を多く経験しています。

ただし、水分の摂り方だけで改善したということではありません。

身体の状態に合わせた漢方を使いながら、
食事や飲み方、睡眠など、
日常生活で身体に負担をかけていることがないか
を一緒に考えていきます。

そして、すべての方に同じ養生をお伝えするわけでもありません。

水分を摂りすぎている方もいれば、
潤いが不足している方もいらっしゃいます。

のどの違和感が強い方、
冷たいものを好む方、
コーヒーを多く飲む方など、
生活習慣も人それぞれです。

だからこそ、その方に合った無理のない養生を
一緒に見つけていくことを大切にしています。


■コーヒーや飲み物も見直した方がいい?
後鼻漏のご相談では、コーヒーについてお聞きすることもあります。

コーヒーそのものが、
すべての方の後鼻漏を悪化させるわけではありません。

ただし、飲む量やタイミング、胃腸の状態などによっては、
見直した方が良いと考える場合もあります。

特に、
マグカップで何杯も飲む習慣がある方は、
コーヒーの種類だけでなく、
飲んでいる量にも目を向けてみることが大切です。

コーヒーと後鼻漏の関係については、
こちらの記事で詳しくお伝えしています。
→後鼻漏・慢性上咽頭炎でコーヒーはやめた方がよい?飲み方を見直したい人の特徴


■身体が整ってくると、後鼻漏にも変化が
漢方と養生を組み合わせながら身体を整えていく中で、
・鼻の奥の違和感が軽くなる
・痰の絡みが減る
・朝の重だるさが楽になる
・のどの不快感がやわらぐ
といった変化が見られる方がいらっしゃいます。

もちろん、改善の経過には個人差があります。

大切なのは、後鼻漏という症状だけでなく、
その症状が続いている身体の状態にも目を向けることです。

漢方では、症状を抑えることだけでなく、
症状が出にくい身体へ整えていくことを目指します。

そして養生では、
日々の暮らしの中で身体を弱らせていることがないか
を確認していきます。

この両方を大切にしています。


■自分のタイプを知りたい方へ
後鼻漏は、水分の摂りすぎだけが原因とは限りません。

鼻や副鼻腔の状態が関係している方もいれば、
のどの粘膜の乾燥や回復力の低下が関係している方もいらっしゃいます。

実際には、複数の要因が重なっていることもあります。

後鼻漏が長引く背景については、こちらの記事で6つの視点から解説しています。
→ 後鼻漏が治らない理由|鼻・のど・粘膜の状態を6つの視点から解説


■まとめ|後鼻漏が長引く理由は日常の中にあることも
後鼻漏が長引いている方の中には、
良かれと思って続けている水分の摂り方が、
今の身体に合っていないケースがあります。

ただし、
水分を減らせば後鼻漏が治る
という単純なものではありません。

大切なのは、身体の状態を知り、
自分に合った飲み方を見つけることです。

漢方で身体を整えながら、
水分の摂り方をはじめとした養生にも取り組んでいく。

その積み重ねが、改善につながることがあります。

和ひのき薬局では、後鼻漏という症状だけでなく、
胃腸の状態や生活習慣、身体全体のバランスも確認しながら、
その方に合った漢方と養生を一緒に考えています。

長引く後鼻漏でお悩みの方は、
日頃の水分の摂り方も一度振り返ってみてください。