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慢性上咽頭炎・後鼻漏で胃腸を見る理由|気血と潤いを作る土台

慢性上咽頭炎・後鼻漏で胃腸を見る理由|気血と潤いを作る土台

慢性上咽頭炎・後鼻漏で胃腸を見る理由|気血と潤いを作る土台
慢性上咽頭炎や後鼻漏の漢方相談では、
鼻や喉の症状に加えて、
毎日の食事や胃腸の状態も詳しく伺っています。

何時ごろに、何を、どれくらい食べているか。
食べる前に空腹感があるか。
食後に胃もたれやだるさ、強い眠気が出ていないか。
便通はどうか。

こうしたことを確認するのは、漢方では胃腸を、
身体に必要な気血や潤いを生み出す土台と考えているからです。

鼻や喉の粘膜を支えるにも、
身体が回復していくにも、
そのための材料と、それを活かす働きが必要です。

何を食べているか。
それを、今の身体が無理なく受け止められているか。

和ひのき薬局では、この両方を大切にしています。

もちろん、すべての慢性上咽頭炎や後鼻漏を
胃腸の弱りだけで説明するわけではありません。

ただ、鼻や喉だけを見ていては気づきにくい背景が、
食欲や食後の様子、便通などから見えてくることがあります。


■「脾」は、食べた物を身体の力へ変える土台
漢方、特に中医学では、
消化吸収や栄養・水分を全身へ運ぶ働きなどを
「脾(ひ)」という考え方で捉えます。

ここでいう脾は、
現代医学の臓器である脾臓そのものを指す言葉ではありません。

胃とともに、飲食物を身体に役立つものへ変える働きを表しています。

脾が「後天の本」と呼ばれるのは、
生まれた後、私たちが食事から身体を養っていくうえで、
重要な土台になると考えられているためです。

食べ物を口に入れれば、
それだけで身体の力になるわけではありません。

消化吸収し、必要なものを作り、全身へ届ける。

漢方では、この働きが気・血・津液を支えると考えます。

気は身体を動かす力。
血は身体を養うもの。
津液は身体に必要な潤い。

これらを充実させ、
巡らせる土台として、
胃腸の働きを大切にしています。


■粘液が多い人にも、乾燥がつらい人にも胃腸を確認する理由
後鼻漏の相談では、
「鼻水や痰が多く、喉へ流れてくる」
「ネバネバしたものがたまって不快」
という方もいれば、

「鼻の奥や喉が乾燥する」
「少しの粘液でも張り付いて、なかなか取れない」
という方もいらっしゃいます。

一見すると、
水分が多い状態と、
潤いが足りない状態は
反対に見えるかもしれません。

しかし、漢方では胃腸の働きを、
単に食べ物を消化することだけでなく、
水分を適切に扱う働きとしても考えます。

その働きが十分でなければ、
余分な水が滞りやすくなる一方で、
必要な潤いを生み出し、
届けることにも支障が出ると捉えます。

余分な水があることと、
必要な場所が潤っていることは、
同じではないのです。

だからこそ、粘液が多い方にも、
乾燥がつらい方にも、
胃腸の状態を確認しています。

ただし、同じ胃腸への配慮が必要でも、
鼻や喉の状態、冷えや疲労などの背景は人によって異なります。

漢方も養生も、その方の状態に合わせて考えます。

実際に、口が乾いて水分を多く飲む一方で、
朝の空腹感がなく、下痢や食後の後鼻漏にも悩んでいた方がいらっしゃいました。

漢方と養生を続ける中で、まず空腹感や口の渇きに変化が見られ、
その後、喉の乾燥や張り付きも軽減していきました。

胃腸と鼻・喉の状態を合わせて見ていった相談経過を、こちらで紹介しています。
→ 慢性上咽頭炎が漢方で改善した症例|bスポットで楽になっても戻っていた60代女性


■「食べられるから胃腸は丈夫」とは限りません
相談で胃腸のことを伺うと、
「食事は普通に食べられるので、胃腸は丈夫だと思います」
というお返事をいただくことがあります。

そこで、もう少し具体的にお聞きします。

「朝、お腹は空いていますか?」
すると、

「空腹感はありませんが、朝だから食べています」
「時間になったら食べるのが習慣です」
ということも少なくありません。

食べられることと、
空腹を感じて無理なく食べられていることには、
違いがあります。

朝の空腹感だけで胃腸の弱りを判断するわけではありません。

前夜に食べた時間や量、睡眠、食後の状態なども合わせて確認します。

大切なのは、
「三食食べています」「食欲はあります」という言葉だけで、
胃腸の状態を決めないことです。

その人が普段どのように食べ、食べた後にどうなっているのか。

そこまで聞いて、身体の状態を考えています。

実際に、3年間続く後鼻漏のご相談で、
空腹感がないことや便通の悪さ、食後の眠気を確認し、
胃腸と食生活に目を向けた方がいらっしゃいました。

漢方と食養生に取り組んだ経過を、こちらで紹介しています。
→ 副鼻腔炎の手術後、風邪をきっかけに3年続いた後鼻漏|70代女性の漢方相談例


■腹八分目は、食後の身体の反応から考えます
私は相談で、腹八分目をおすすめしています。

ただ、「腹八分目にしてください」と伝えるだけでは、
実際の量は分かりにくいものです。

自分では控えめにしているつもりでも、
今の胃腸にとっては負担になっていることがあります。

そこで目安にしているのが、食後の状態です。

・胃がもたれていないか
・身体がだるくなっていないか
・強い眠気が出ていないか
こうした反応を、一緒に振り返ります。

もちろん、眠気やだるさには食事量以外の要因もあります。

一つの反応だけで決めつけず、食事との関係や繰り返し方を見ていきます。

便通も必ず確認します。

便が出ているかだけでなく、出にくさや残る感じ、
便の状態なども、その方の身体を知る手がかりになります。

快食・快便・快眠。

鼻や喉の症状とともに、
食べる・出す・眠るという毎日の状態も大切にしています。

食後の悪化と食事量の関係については、
実際の相談経過をこちらの記事で紹介しています。
→ 後鼻漏が食後に悪化する理由|食べると痰が増える人の背景とは?


■「何を食べるか」と「受け止める胃腸」の両方が大切です
身体を養うためには、材料となる食事が必要です。

一方で、身体に良いとされるものでも、
今の胃腸に対して量が多すぎたり、
空腹感がないまま食べ続けたりしていれば、
負担になることがあります。

そのため、食養生では次の三つを合わせて考えています。

・何を口にするか
・どのような状態で食べるか
・どれくらい食べるか

食材だけを変えるのでも、
量だけを減らすのでもありません。

必要な栄養を取りながら、
無理なく受け止められる食べ方を、
その方の状態に合わせて探します。

相談では、ご飯と味噌汁を中心に、
葉野菜などを取り入れることもお伝えしています。

ただし、一食ごとに完璧を目指す必要はありません。

外食や家族との食事を楽しみながら、
数日単位でバランスを整えることも大切です。

食べ物の選び方や具体的な食事バランスについては、
こちらの記事にまとめています。
→ 慢性上咽頭炎・後鼻漏と食事|食べ物の注意点と整え方


■漢方と養生で、鼻や喉を支える土台を整える
和ひのき薬局では、
体質や症状に合う漢方のご提案とともに、
食事や生活の整え方もお伝えしています。

鼻や喉の今ある不快感への対応に加え、
その状態が続いている身体の背景も考えたいからです。

鼻や喉の炎症、乾燥、回復力など、
粘膜の状態に応じた漢方の考え方は、
こちらの記事にまとめています。
→ 慢性上咽頭炎と漢方|症状・体質に合わせた漢方薬の考え方

胃腸を整え、必要な気血や潤いを生み出せる状態を支える。

同時に、
胃腸へ負担をかけている食べ方がないか、
生活の中で振り返る。

この両方を大切にしています。

ただ、食養生は知識を知れば、
そのままできるようになるとは限りません。

「腹八分目」のつもりでも、
お互いが思い浮かべている状態は違うことがあります。

無意識に続けている習慣に、自分では気づきにくいこともあります。

だから、相談を続ける中で、

「実際にどう取り組めましたか」
「食後や翌朝の身体はどうでしたか」
と確認し、必要に応じて一緒に調整していきます。

知ること、わかること、できることは、それぞれ違います。

その方の暮らしの中で、
無理なく実行できる形になるまで支えることも、
漢方相談の大切な役割だと考えています。


■鼻や喉と、それを支える身体の両方を見る
慢性上咽頭炎や後鼻漏では、
鼻や喉の状態を確認することが大切です。

そのうえで、私は、その粘膜を支えている
身体全体にも目を向けています。

胃腸だけがすべての原因ではありません。

けれど、食べた物から身体を養い、
必要な潤いを作る土台として、
胃腸を見過ごすこともできません。

何を食べるか。
お腹が空いて食べられているか。
食べた後にどうなるか。
便通や睡眠はどうか。

そうした毎日の身体の反応を、
鼻や喉の症状と合わせて見ていく。

そこから、その方に合う整え方を
一緒に考えることを大切にしています。

後鼻漏が長引く背景には、胃腸以外にも、
鼻や喉の状態、粘液の性質、生活習慣などが関わります。

全体を整理したい方は、こちらの記事をご覧ください。
→ 後鼻漏が治らない理由|鼻・のど・粘膜の状態を6つの視点から解説


■ご相談について
食事に気をつけていても、
自分の身体に合っているか分からない方へ。

和ひのき薬局では、鼻や喉の症状とともに、
食事や胃腸の状態、これまでの経過を伺い、漢
方と養生をご提案しています。

取り組んだ後の身体の反応も一緒に確認しながら、
その方に合う整え方を考えていきます。

漢方相談は予約制です。初回は約60分かけてお話を伺います。

ご予約・お問い合わせは、
お電話または公式LINEからお願いいたします。